湯河原を歩く

さがみの小京都・湯河原(神奈川県足柄下郡湯河原町)を歩いてきました。

20100206_01.jpg

■基本情報

+++++++++++++++++++++++++
【区分】自由設定
【地図】 GoogleMap
【通過ポイント】
 ▶スタート:JR湯河原駅前
 ✅①西村京太郎記念館
 ✅②福泉寺の首大仏
 ✅③光風荘
 ✅④万葉公園(万葉の歌碑・国木田独歩の碑)
 ✅⑤独歩の湯
 ✅⑥不動滝
 ▶ゴール:重光葵記念館
+++++++++++++++++++++++++


<JR湯河原駅前>

▼土肥實平公並夫人像
20100206_01.jpg
土肥實平は鎌倉初期の武将。今のJR湯河原駅~城願寺の居館としていた。
1180年、以仁王(もちひとおう)の命で源頼朝の挙兵に従い参戦するも、石橋山の戦い
で敗れ、頼朝とともに、湯河原の山中(しとどの窟)に隠れ、房総への脱出を手助けする。
夫人は、『源平盛衰記』では「土肥の女房」、吾妻鏡では「土肥の妻」として登場するが、
名前は不明。ただ、しとどの窟に隠れる頼朝に、食料を届けるなど、機転が利く人だった
そうで。夫婦で銅像になっています。
 
 
▼駅前小京都風ポケットパーク
20100206_03.jpg
全国京都会議で「小京都」認定を受けたことを受け、駅前に作られたポケットパーク。
階段下にあり、うっかりすると見落とします。
 

<西村京太郎記念館>

【観覧料】500円
おすすめ度:★★
20100206_02.jpg
西村京太郎氏は、「十津川警部シリーズ」「探偵左文字進シリーズ」など、
トラベルミステリーを中心に、これまでの著作数が460に及ぶという、
有名人気作家。2001年開館の西村京太郎記念館は1Fがcafe「茶房にしむら」、
2Fが展示室となっており、全著作の展示や、生原稿(手書きで毎日原稿15枚
の執筆を続けているそう)、ドラマのパネル、趣味のコレクションが展示されている他、
インタビュー映像などを放映。
 

 

<福泉寺・首大仏>

【所在地】静岡県熱海市泉191-1
20100206_04.jpg
尾張藩二代藩主・徳川光友(1625-1700)が母を弔う為に作った陶製の釈迦像。
名古屋城から戦後、福泉寺に奉納されたそうですが、胴体は行方不明だそうです。
静かなお寺に 首大仏。かなりのインパクトがありますよ。
 

 

<理想郷>

20100206_05.jpg
 

 

<光風荘(2・26事件現場)>

【観覧料】無料(※地元有志で借りている建物で、募金箱あり)
【おすすめ度】★★★★★
20100206_10.jpg
光風荘は伊藤屋旅館の元別館で、1936年(昭和11年)2月26日に青年将校
らによるクーデター未遂事件「二・二六事件」のうち、元内大臣・牧野伸顕伯爵
(麻生太郎元首相の曾祖父)が襲撃された、東京以外で唯一の二・二六事件の現場。
(なお、牧野伯爵は周囲の人々の尊い犠牲により、九死に一生を得ました。)
ここ光風荘では、新聞記事や遺品の展示などを交え、襲撃隊のリーダー・河野寿の
生い立ちから事件の流れ、事件後の報道、そして軍が権力を掌握し日本の歴史が
狂いだすという一連の話を、ボランティアの方が40分程度熱く説明してくれます。
ちなみに、元の建物は二・二六事件で襲撃隊により焼かれたため、現在の建物は
翌年まったく同じ間取りで再建されたものなのですが、その狭い廊下での護衛警官
と襲撃隊の銃撃戦など、実際にその場所で起こった歴史的事件に鳥肌が立つ程の
実感を覚えます。
学校の歴史の授業ではあまり扱わない戦前史。近くて遠い衝撃の歴史。
だからこそ、今、敢えて向き合うために、大人の方は訪問されると良いと思います。
 

<万葉公園>

▼万葉の歌碑
20100206_06.jpg
「足柄の土肥の河内に出づる湯の世にもたよらに子ろが言はなくに」(あしかりの土肥の歌)
ココから先、万葉公園の「文学の小径」として、湯河原にちなんだ歌碑(立て札)が続きます。
・湯河原の 春吟堂に 客絶えず さくら咲く日も みかん実る日も 谷崎潤一郎
・一生一瞬に去来すもずの声 山本有三
  
▼観光会館4F・パノラマラウンジ
20100206_07.jpg
自販機が置いてあり、ちょっと休憩するのに良いです。
 
 
▼養生園の碑
20100206_08.jpg
日露戦争後、戦傷病者の保養地として開放された大倉一族の別荘「養生園」にて
静養した東郷平八郎伯爵が、大倉一族に感謝して綴った碑文。
 
▼国木田独歩の碑
20100206_14.jpg
碑文「湯ヶ原の渓谷に向かった時はさながら雲深く分け入る思いがあった」
(by国木田独歩「湯河原行き」の末文より)
国木田独歩は明治時代の小説家・編集者。
湯河原の旅館・中西屋に泊まり、『湯河原ゆき』『湯河原より』という作品を残した。
ちなみに、その内容は湯河原の旅館の女中に惚れて失恋すると言う、そのまんま
国木田独歩の失恋話らしい。だから、湯河原を代表する作家といわれると微妙かも。
 

 

<足湯施設「独歩の湯」>

【入湯料】大人300円(子供200円)
【おすすめ度】★
20100206_15.jpg
万葉公園にある日本最大級の足湯施設。
「平静の泉」「喜びの泉」「思考の泉」「腸鼻の泉」「腎耳の泉」
「皮口の泉」「脾骨の泉」「肝目の泉」「脈胃の泉」のエリアに分かれ、
それぞれ特徴があるそう。
カップルや家族連れでワイワイするにはよいと思いますが、
一人旅向きではないです。

<湯権現熊野神社>

20100206_09.jpg
 

 

<栖鳳橋>

20100206_11.jpg
明治から昭和にかけ、「東の大観、西の栖鳳」と呼ばれた、
日本画の巨匠・竹内栖鳳(1864-1942)が、昭和9年に湯河原にアトリエを設け、
しばしば付近を散歩していたため「栖鳳橋」に。
ちなみに、近くの「町立湯河原美術館」の常設展には竹内栖鳳の作品が展示
されています。
 

 

<不動滝(ふどうたき)>

20100206_12.jpg
落差15mの滝で、湯河原五大滝のひとつ。不動明王が祀られています。
 

 

<重光葵(まもる)記念館>

【入場料】大人600円
【開館日】金・土・日(時間は要確認)
【URL】http://contra99.ojiji.net/index.html
【おすすめ度】★★★★
20100206_13.jpg
重光葵(1887-1957)は第2次世界大戦期の外交官・外務大臣兼大東亜大臣。
戦中、外交官として、中国・ロシアとの停戦協定締結に尽力したほか、戦後、
米艦ミズーリ号での降伏文書調印や国連での演説などを行ったことで有名。
重光葵記念館では、約60分のビデオ上映、各種展示を行っています。
ビデオでは、軍国主義を突き進む日本において、「聖断」による敗戦への
着地点を求め画策した様子を手紙やエピソードを交えて紹介しており、
歴史的にもとても考えさせられる内容でした。
 

■コースマップ

地図はこちらです。

大きい地図で表示

■おまけ

<城願寺>

【所在地】神奈川県足柄下郡湯河原町城堀252
【名称】萬年山城願寺
【宗派】曹洞宗
20100206_16.jpg
土肥實平の菩提寺。(土肥一族の墓所あり)
土肥實平自身が植えたという、樹齢約800年のビャクシンの大木は圧巻。
急な坂を上ってでも行く価値ありです。

<湯河原駅のホーム>

20100206_17.jpg
湯河原駅ホームのベンチには、寒い冬のこの時期、座布団が敷かれています。
(http://www.townnews.co.jp/020area_page/03_fri/12_hako/2006_4/12_15/hako_top2.html)
地元・湯河原町商工会女性部の方々の心遣いに感謝しつつ、帰りの電車を待ちます。